
副題にもある通りこの話の主役は戦艦大和と米軍の未成艦のモンタナとが撃ち合ったらどうなると言う想定を小説化したものです。
もちろん小説として読ませるために、日米どちら側にも感情移入し易いように各艦長、艦隊司令の心情も描写されているのが優れものですね。
また、前作の
『戦艦大和地中海決戦録』

で、大和級戦艦とモンタナ級戦艦が共闘するシリーズを書いているので今度はその逆、その両者が闘ったらどうなるか?という読者側の疑問に答えた感じになるですね。
特に、この話では設定の前フリとしてガ島(ガダルカナル島)をめぐる戦いで、大和が出張ってきていたら…というのがあるので巨大戦艦同士の近距離(一万メートル以内)砲撃戦と言う非常識な闘いは見物です。ちなみに、この前フリで大和と闘うのはワシントンとサウスタゴスタ。
サウスタゴスタは戦闘開始直後に艦内電気のブレーカーが飛んで戦闘どころか一切の行動不能に陥ると言うありえない設定もあったりしてヲイヲイな展開ですが、他はしっかりと見応えのある流れで燃えますよ。